『スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない!』

仮に彼とまったく同じ条件下で同じ方法で取り組んだとしても、得られる結果は変わってくるだろう。考えるまでもなく分かりきったことだと思われるかも知れないが、スティーブ・ジョブズならそう思うのに、身近な同僚ではそう思えないのはなぜか。

それは、どこかで線を引いているからではないか。相手がその線の内側にいるのか外側にいるのか、そのいずれかにおいて模倣の是非を決めているのだ。

 「それは、ジョブズだからできることでしょ」
 「あいつにできて、オレにできないはずがない」

こうした判断を下す拠り所となる「線引き」の段階からして、そもそも間違っていたとしたらどうなるか──そんな漠たる不安に改めて対峙させられる。

ジョブズの交渉術を学ぶというより、仕事人としての極北であるジョブズから自分がどれだけ離れているのかを知り、自分の立ち位置を見定め、そのうえで行く末を考えたい人にとって示唆に富む1冊。

スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)
経済界
発売日:2008-05
おすすめ度:3.5
おすすめ度5 キーマンとの直接交渉、物怖じしない姿勢。
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