2008-01-01から1年間の記事一覧

『Mind Hacks―実験で知る脳と心のシステム』

池谷裕二さんが、「これを書かれて悔しい。自分が書きたかった」という意味のことをオビに書かれていたが、全く同感。ものを書く立場の人間として、切り口の重要性を見る度に思い知らされる一冊。同時に読み手としては、ためになるし面白い。王道ながら、や…

『無意識の脳 自己意識の脳』

少し難しい本だったが、これほどためになった本はあまりない。「意識」に対するとらえ方が、非常に幅広いものになった。我々はふだんまず気づくことのない、膨大な「意識の萌芽」のようなものを抱えている。ある道を歩くのはいやだな、とか、この人といると…

『しあわせは、すぐ近くにある。 今日から成功できる39の法則』

何気ない日常の中に、その何気ない日常を変えるためのヒントがある、というパラドクス。この「メビウスリング」を抜け出すためのカギとなるのは「質問」。本書は、39の質問を通して39のカギを紹介するほか、自分だけでなく回りの人にも「解錠」をしてもらう…

『幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学』

本書はある意味で、なかなか人気の出ない本かもしれまない。構成、面白さ、信頼性。これらを考えるとブレイクしそうな本なのだが、「夢のない本」に見える可能性が高い。だが、経営学には「合理性と効率を突き詰めればこうすべき」という答えを出さなければ…

『なぜ、追いつめられたネズミはネコに噛みつくのか?』

地上1階、地下3階の建物。みんな「地下2階」までは降りていくけど、なかなか「地下3階」にまではたどり着かない。生まれてすぐは「地下3階」はすぐに行けたのに、成長するにつれてだんだんと足が遠のいてしまう。成功の秘密はすべてこの「地下3階」にある。…

『社会化した脳』

これは傑作。一口に「コミュニケーションの心理学」などと言っても、そこにはアテにならないものから、十分な研究がなされているものまで、実に玉石混淆。本書は、「社会神経科学」という、まかり間違うと流行の目くらましに終わってしまいそうな学問分野を…

『いつまでもデブと思うなよ』

本書はダイエットだけでなく、自分の行動のなかの「負の要素」をコントロールしたいと望むすべての方が、読むべき一冊。ただ、ダイエットには興味がないという方は、第1章と第2章はとばし読みでもOK。第3章の内容を特に、ダイエット以外にも応用できないかど…

『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』

本書の素晴らしい点はなんと言っても、「やっちゃいけない余計なこと」がどんなことで、またどんな理由で「やっちゃいけない」のかを、かみ砕いて解説してくれている点。べつに珍しいことでもないが、自分はやはり人間関係というものが得意とは言えないし、…

『ひとりで抱え込まない仕事術―「お願い上手」の5ステップでラクになる』

オビの文句は、 またまた仕事を抱え込んで、ああ今夜も眠れない。人に頼みたいけど、頼めない――そんなアナタの必読書!かつて自分が即OKした依頼のことや、ほとんど即お断りした依頼について、思い出すところがあり、なるほどと思った。状況という点も見逃…

『カエルを食べてしまえ!』

一言でいえば、カエル(=最も手強い仕事)から先に食べて(取りかかって)しまえ、という話。それさえできれば、残る仕事は少なくともカエルよりは手が掛からないため、望ましくない次のような事態を未然に防ぐことができる。・求められている成果が上げら…

『好きになる生理学―からだについての身近な疑問』

ところどころに現れる田中先生のゆるキャラが見え隠れする一文(特に語尾)がほのぼのとさせる。全体を通して肩の力を抜いて読み進めることができる割に、「へぇ〜、そうだったのか!」と合点がいく瞬間が高頻度で訪れる良書。子どもがいる人は、「人のから…

『最新約コピーバイブル』

なんと、のべ66人ものコピーライターによるコピー論が「これでもか!」といわんばかりのてんこ盛り。巻末には「古今コピー集」ということで約1800もの広告コピーが50音順に列挙されています。これは圧巻。この部分だけのために買ってもいいくらい。ほんの1行…

『プロSEが教える!自分のアタマの中を伝える技術』

エンジニアが何気なく実践していることを一般人にもわかりやすく伝えたうえで、さらにその伝える術そのものも伝えてくれる。伝えることに特化したフレームワーク集といえる。薄くなってもいいから、フレームワークをもっとたくさん紹介したほうが良かったか…

『いまだにWindowsXPを使っている人のための大事典1000』

「いまだに」というのは釣りだが、内容は実践的で実用的。メインPCをVistaにして以来、見た目がクールになった以外はメリットをまったく感じていないので、折を見てXPに戻そうと思いつつ踏ん切りがつかず、この本を買うことで飛び降りた。1600円ということは…

『人生は勉強より「世渡り力」だ!』

独特と間合いで「鼻につく」スレスレの線を保ちつつ“武勇伝”をとうとうと語る。自らの仕事にプライドを持っている(あるいは持ちたい)志ある人にはビンビン響く。ただし、言うまでもなく注意すべきは書かれていることをそのまま真似ても意味がない、という…

『人生改造宣言―成功するためのセルフコーチングプログラム』

若干バタくさいものの、フッと力を抜くきっかけが得られる。具体的な「ちょっとしたコツ」を期待していると肩すかしを食らうが、即効性はないものの、ちょっとしたことで人は変われるという真理に改めて気づかせてもらえる。 人生改造宣言―成功するためのセ…

『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』

20代の背中をぐいっと押す叱咤激励本。最初は勢いが大事。理屈をこねるよりも「つべこべいわずにこうやれ!」と言ってもらう方が確かに効果が上がる。自分でも、最初の会社は体育会系だった。でも、少し経験を積んでくると勢いだけでは息切れする。そこで必…

『数字を見るとおなかが痛くなる社長のための決算書の読み方』

『世界一わかりやすい会計の本』に続く待望の第2弾。前作は一般向けに会計のイロハを解説したが、本作は主に著者のクライアントである中小企業経営者に向けて、会計に親しんでもらうことに主眼が置かれている。特に、一般の会計本では光が当てられることのな…

『人生カンタンリセット!夢をかなえる「そうじ力」』

2年前に買って読んだものの、最近になって改めて読み返した。部屋が散らかっていると、仕事のやる気も下がりがち。カフェや図書館などで仕事がはかどるのは、そこがスッキリしている空間だから。だったら、部屋をスッキリさせた方が早い、というわけで、わか…

『きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉』

ワタミ率いる渡邊美樹社長が同社のアルバイトに向けて語ったビデオレターをもとに構成。校長先生の訓話ちっくでありながらも、そこには著者の苦労と経験が凝縮されており、読む者に自戒を促す。もともとが“社内報”なこともあり、万人向けではない部分もある…

『成功者の告白』

『非常識な成功法則』が理論編なら、こちらは事例集。合わせて読むと、よりいっそう腹に落ちやすくなる。物語形式なのだが、その“肉”を削ぎ落としていくと、本書が刊行される3年前に出た『なぜ春はこない?』の「カーブ理論」のコンセプトがその屋台骨である…

『非常識な成功法則』

これほど読者を行動に駆り立てる本をほかに知らない(手元にあるのは29刷、初版は2002年)。その目指す先はズバリ成功。小難しいことは一切抜きにして、とにかくこれをやれ、こういうときはこう考えろ、といった経験に基づいた具体的かつ実践的なアドバイス…

『質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?』

「質問会議」のベースである「アクションラーニング」というメソッドは、GE、モトローラ、ボーイング、IBMといった企業で導入されており、日本では「質問会議」という名前でトヨタ自動車、NEC、富士ゼロックスなどの企業で管理職研修に取り入れられ…

『成功本50冊「勝ち抜け」案内』

差し詰め「成功本」ミシュラン。紹介されている本すべてが必読ではないが、2ヶ月間寝食を忘れて成功本と向き合ってきたという著者だからこそ書けた、各書の魅力を凝縮した解説を読むだけでも一読の価値がある。自分でも本書で紹介されている本を10冊以上買っ…

『「しくみ」マネー術』

ベストセラー『投資信託にだまされるな!』の著者による、さらに一歩踏み込んだ実践編。銀行口座を目的ごとに4つに分けることで、“確実に資産を増やす”方法を解説。時間のないビジネスパーソンに向けて、お金の流れを「しくみ化」することによって、手間と時…

『新規事業がうまくいかない理由』

『頭のいい人が儲からない理由』の著者が、テーマを「企業内起業」に絞り込み、その心得とノウハウを解説。いうまでもなく「企業内起業」すなわち企業内で「新規事業」として起業を目指すチームに属するメンバー、あるいはそのチームのリーダー、さらにはそ…

『戦わない経営』

『「心の翼」の見つけ方』の著者による最初の著作。左ページにメッセージ、右ページにその解説、という構成。そのとっつきやすさとは裏腹に、その行間には著者ならではの経験に裏打ちされた教訓が込められている。メッセージのいくつかは著者が経営する会社…

『これだっ!という「目標」を見つける本』

はっきり言ってヘビー(438ページ)。とはいえ、中盤以降から終盤まで続く本書の支柱を成すストーリーはなかなか読ませる内容なので(身につまされることが少なからずあった)思ったよりもストレスなく読める。前半の理論部分が読みづらければ先ずこのストー…

『病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める』

我々の未来を決めるのは遺伝ではなく習慣である、という点が響いた。すなわち、その場で何かを実現できる能力よりも長期間にわたって自分を一定方向に航行させられる習慣力(あるいは自己管理力)の方がサバイバルには役に立つ。本書は表層にとらわれず深く…

『サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践』

『あなたにも5000万円貯まる信じられない「仕組み」』などで主張されている、国内・海外株式と国内・海外債券の4つに分けて投資するスタンスや、国際分散投資の考え方を否定する。代わりに著者が勧めるのは外貨。年代別に株と外貨をどのような配分にすればい…