『幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学』

本書はある意味で、なかなか人気の出ない本かもしれまない。構成、面白さ、信頼性。これらを考えるとブレイクしそうな本なのだが、「夢のない本」に見える可能性が高い。

だが、経営学には「合理性と効率を突き詰めればこうすべき」という答えを出さなければならない一面があるように、「合理性と効率を突き詰める」心理学もあってしかりだと思う。

なぜ我々は、物質が豊かになっても夢をそれなりにかなえても好きな人と一緒になることができても、なお「先の方に幸せがある」と思ってしまうのか。思うだけなら良いが、それでつまずいてしまうのか。つまずかないためには何に気をつけたらいいのか。それに対する1つの答えを提供してくれる一冊。


幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学
Daniel Gilbert(原著)熊谷 淳子(翻訳)
発売日:2007-02
おすすめ度:4.0