『好きになる生理学―からだについての身近な疑問』

ところどころに現れる田中先生のゆるキャラが見え隠れする一文(特に語尾)がほのぼのとさせる。全体を通して肩の力を抜いて読み進めることができる割に、「へぇ〜、そうだったのか!」と合点がいく瞬間が高頻度で訪れる良書。

子どもがいる人は、「人のからだはこうなってるんだぞ」と教えて威厳を保つもよし、一緒にお風呂に入っているときに抜き打ちで聴かれる質問に即答して尊敬を勝ち取るもよし。もちろん、女性との会話において、本書の知識をさりげなく盛り込むのもいい。スマートでクレバーな印象を与えることができるだろう。言うまでもなく、てんこ盛りにしては逆効果。単なるウンチク野郎になってしまう。

話が逸れたが、田中先生ご自身が、適度に脱力して書いているので、学ぶべきは彼の執筆姿勢なのかもしれない。