『仕事は楽しいかね?』
一度起業の夢に破れた主人公が、たまたま空港で居合わせた富豪の老人と対話を重ねながら「再生」に向かって踏み出すまでの物語。
1章から順番に読み進めていきたい。全体を通して起伏が少なくメリハリに欠けるが、だからこそ、繰り返し読むに耐えるともいえる。読み返すたびに新たな発見が得られるはずだ。何気ない老人の言葉にも、そこに自分の経験を重ね合わせることによって、行間が浮かび上がってきてハッとさせられることは一度や二度ではないだろう。
本書は目標を立てることに否定的だが、それは目標を立てることそのものを否定しているわけではない。その先にある「目標を立てて安心してしまう」ことに対して警鐘を鳴らしているのだ。
Dale Dauten(原著)野津 智子(翻訳)
発売日:2001-12