2009-01-01から1年間の記事一覧

『金持ち父さん貧乏父さん』

「どうやったらお金持ちになれるのか?」が本書のヒキであることは、まちがいないだろう。本を読んでその方法が分かるのなら、誰だってとりあえず読んでおこうとは思うはずだから。けれども本書のもうひとつの魅力は、貧乏父さんの考え方にあると思う。いわば…

『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』

著者は、物語作家ではないので、細かいやりとりなどが「微妙」に感じられるかもしれないが、慣れれば気にならなくなる。面白いのはやはり、四面楚歌、徒手空拳という状況で社長にさせられる主人公が、徐々に身につけていく会計の知識で、困難な状況を切り抜…

『キミがこの本を買ったワケ』

「心理学って、なんの役にも立たないんじゃない?」とお思いの方にぜひ、読んで欲しい一冊。本書を読むと、心理学はすでに、あなたの懐からお金を取っていくのに、役立てられてしまっているということがよく分かる。この手の話に使われているのはもちろん、統…

『Statistics Hacks』

本書は単なるハック本とは言い難く、むしろ「統計の勘所」をまとめている一冊。「統計の基本と世界を測るテクニック」という副題が、ピッタリくる。本書は「統計で人を煙に巻くテクニック」でもなければ「統計のウソから身を守る」ためのものでもない。本書…

『トム・ソーヤーの冒険』

冒頭で、トムが、怖いおばさんに言いつけられた壁のペンキ塗りを、友達に押しつけてしまうというエピソードがある。トムはペンキ塗りをやりたくない。そこでトリックを考える。それは楽しそうにペンキ塗りをやること。そこへ友達が通りかかり、トムがあまり…

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』

本書では、少なくともビジネス書の潮流からすれば、「時代に逆行」した主張がなされている。フォト・リーディングをはじめ速読・多読がこれほど求められている中で、「スロー・リーディング」。賛否はあるだろうし、本書を読めば反発心も起こってくるに違い…

『茂木健一郎科学のクオリア』

対談本。さすがに茂木健一郎さんが対談していくだけあってと言うか、そうそうたるメンバーばかり。なかでも、『生物と無生物のあいだ』で有名な福岡伸一さんとの対談が面白い。結局のところ科学の世界でも面白いことを言ったりしている人には「けものみち派…

『考える脳 考えるコンピューター』

この本のきわめて優れている点は、脳の構造と機能について、部分的にではなく全体論的に論じていて、しかもなかなか説得力を持っているところ。仕事を飽きずにうまく回らせるには、脳内のトップダウン・プロセスとボトムアップ・プロセスがなめらかに融合し…